居合道は、足利時代の末期に林崎甚助重信によって創始された武術であります。その後、武士のたしなみとして修練されるようになり、様々な流派が生まれました。しかしながら、明治維新後の廃刀令や第二次世界大戦後の混乱で、一時期衰退した時代がありましたが、様々な人々の努力により復興し、現在では日本古来の武道として確かな地位を築いています。居合道は、日本刀によって、正しい刀法(抜刀から納刀)、及び礼法や諸作法を学びこれらを通して剣の技能の修練のみならず、 人格の涵養なども含めた心的修練を目的としております。
日本古来の伝統文化とされる武道、居合道は近年世界的にも脚光を浴びており、日本の武道の真髄を学びたいと、世界の数多くの国々に普及しております。
居合道がこのように文化や言葉の違いにかかわらず、老若男女に幅広く愛される理由は、決められた形・理合に沿って仮想の敵に対し抜刀する一人稽古が主ですので、それぞれ自分の体力や年齢に合わせ無理なく稽古できる武道であるからではないでしょうか。
即ち、その時の自分の力量に応じた稽古が無理なく出来る為、体格の大小、体力の強弱、男女、年令にこだわることなく誰にでもできる訳です。
刀を抜いて対峙し、斬り合うのが剣道(剣術)であり、刀を抜かずして、鞘に収めたまま相手の動きに応じて対応するのが居合です。
つまり、いつ、いかなる時でも臨機応変に敵に対応し、勝ちを制する刀法をいいます。居合は、林崎勘助重信公(永禄年間末期の人)が中興の祖とされていますが、それから、500年以上に亘って連綿と現代まで受け継がれてきています。
現代社会においては、刀で斬り合うということはありませんので、居合いを通じて、心身を鍛練することが目的となっています。
長い間に、色んな流派が発生していますが、現在、いちばん大きな流派は、無双直伝英信流です。
なお、居合は「動く禅」と例えられています。
又、現代において、日本刀(真剣)を使用する唯一の武道です。